ハリネズミの思い出

今日はマロンの誕生日だ。マロンは6月生まれということしかわからなかったので、私がこの日をマロンの誕生日にした。昨年の今頃は元気で、4歳の誕生日も問題なく迎えられると思っていた。1年後のことなんて全く予想できないものなのに。

亡くなって半年経った。当然のことながらまだまだ悲しい。毎日寂しい。それでもなんとか毎日を過ごすことができているのは家族の支えとある日見た夢のおかげだ。

亡くなってから2ヶ月くらいの間は典型的なペットロスに陥った。メンタルは強い方なので自分がそんな風になるとは思わなかったが、完全な抑鬱状態だった。とにかく毎日を普通っぽく過ごせるよう頑張っていたが、ダメな時は本当に何もできなかった。

そんな時に夢にマロンが出てきた。トコトコと歩いて部屋の隅っこ入り込もうとしているのを私は追いかけていた。追いかけていて私はふと気がついて「あれ?マロン死んじゃったんじゃなかったっけ?」と思ってしまった。するとその瞬間、マロンは真っ黒い影になってしまった。「やっぱり、死んじゃったんじゃん…。」と泣いていると、その真っ黒い影がとことことマロンみたいに歩いてきて、私の手の上に乗っかってきた。真っ黒い影なのに、ハリハリとした触感と重さは完全にマロンのものだった。

その瞬間に目が覚めたのだが、手には夢で感じたマロンの触感と重さが残っていた。夢は睡眠時に脳内の記憶を整理するためにみるものだと何かで読んだ。自分で思い出すことはできないけれど、脳内には情報としてマロンの触感や重さがしっかりと残っているのだということがわかり安心した。もう2度と会うことはできないけれど、一緒に過ごした日々の思い出は全部私の中に残っている、そう思えるようになった。

マロンと過ごした日々は私にとっても家族にとってもかけがえのないものだった。悲しさが消えることはないだろうが、それも含めて思い出として大切にしていきたい。

娘が学校で書いた「私の宝物」
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