先日娘と『ピーターラビット』の映画を見てきた。原作とはだいぶ雰囲気の違う『ホームアローン』みたいなノリの映画だった。今回はその映画に出てきたティギーおばさんというハリネズミのキャラクターについて。
イギリスではハリネズミ(ヨーロッパハリネズミ)は日本におけるスズメ的な存在で、庭にちょこちょこ遊びに来る野生動物として親しまれている。うさぎと同じくらい、馴染み深い動物なのだ。
原作では確かティギーおばさんは洗濯屋さんという設定だったと思うのだが、映画にはそうした描写は特になかった。それに「4年半も生きたんだし、冥土の土産になるわ」的なセリフを言うなど、おばさんというより、おばあさんという印象だった。ピーターラビットのお母さんも亡くなっており、ピーターラビットも明らかに子供という感じでなかったので、おそらく映画の舞台は原作より少し後の時代ということなのだろう。
そのおばさんが盛大に背中の針を飛ばすシーンがあった。それを見てちょっと思い出したことがある。
マロンを飼い始めた頃、私の母が「ハリネズミの針はダンボールやアルミ缶くらいなら貫くってテレビで見たわよ。大丈夫なの?」なんて話していた。それはヤマアラシだって!と突っ込んだが、うちの母に限らず、ハリネズミとヤマアラシを混同している人は多いのではないだろうか。
家に遊びに来る娘の友達の中にもマロンを見て「針とばしてこない?」なんて本気で怖がっている子が何人かいた。いやいや、針なんか飛ばさないよ、漫画じゃないんだし…と笑ってしまったが、意外と「ハリネズミは針を飛ばして敵を攻撃する」と思い込んでいる人は多いようだ。
漫画やアニメで驚いた時に目が「びよーん」と飛び出るのを見ても、それは驚いた様子を大げさに表すための表現技法であり、本気で目が飛び出ると信じる人はいない。それは私たちが「驚きで目玉が飛び出してくることはない」という事実を知っているからだ。
しかし、あまり馴染みのないハリネズミという動物が、アニメの中で針をピュンピュン飛ばしていたら、そういう動物なのかもしれないと思い込んでしまう可能性は高い。しかも「ハリネズミが針を飛ばして攻撃」する系のネタは色々な場面でよく使われるし、実際に針を攻撃的に使用するヤマアラシという動物もいるとなるとなおさらだ。
かといって、アニメや漫画のシーンのそうした描写が悪いとは思わないし、「これはイメージです」とか「実際は針は飛びません」なんて注意書きが書かれるようになるのも興ざめだと思う。ではどうやって誤解を解いていけばよいのかというと…正しい情報を発信し「実際はハリネズミは針を飛ばして攻撃なんてしない」という認識を地道に広めていくことだと思う。
そんな訳で
ハリネズミは警戒心が強いけど、基本的にとても臆病な動物で、体の針は攻撃ではなく防御用です。
ハリネズミの針は段ボールを貫くほどの強度もなく、飛んで来ることもありません。
もちろん鬼太郎の毛針みたいに、敵を攻撃したりすることもありません。
フシューっと針を立てられるとちょっと痛いけれど、イガグリ触った程度の痛さなのでご安心を。
ちなみに警戒心がなくなると一気にモグラ感が増します。
そうそう、新しくした給水タンク付き水飲み、慣れて飲んでくれるようになった。これで夏のお留守番も安心。